フランス4大河川の一つで、フランス南部を流れて地中海に注ぐローヌ川。
(写真はアヴィニョン付近から上流を望む)
そのローヌ河流域南北200キロに渡る自然に恵まれたエリアは、両岸にワイン産地が広がり、赤、白、ロゼ、発泡性ワイン、天然甘口ワインと多様なワインを産出している。
この地でのブドウ栽培の歴史は、紀元前4世紀頃にさかのぼり、マルセイユを築いた古代ギリシア人によって始められた。その後紀元前125年頃、古代ローマ人がこの地に入植すると、ブドウ栽培とワイン生産が大きく発展。中世にはテンプル騎士団がブドウ樹を植え、14世紀にはアヴィニョンのローマ教皇たちがこの地のワイン生産を奨励することにより優れた基盤がつくられていく。
1935年、原産地呼称制度(AOC)が導入されるが、これはローヌ南部シャトーヌフデュパプのルロワ男爵が、拡大を続けるシャトーヌフデュパプの名声を裏切らないよう、ワイン生産における今までにない厳しい決まりを制定したのが始まりである。現在はこのローヌ地方で、コートロティ、コンドリュー、エルミタージュ、シャトーヌフデュパプ、ジゴンダスをはじめとする高品質なAOC、個性的な作り手たちにより、ますます魅力的なワインが作られている。
ローヌワインは北部と南部では、気候や土壌の栽培地形の違いから性質の異なるワインが作られる。
北部と南部の特徴を追ってみよう。
シャトーヌフデュパプの小高い丘の上にはかつて教皇たちが夏をすごした城跡が残る。
奥に流れるのがローヌ川で左手が下流アヴィニョン方面