◆エリア
ローヌ地方主要都市アヴィニョンの北約15km付近に位置し、ローヌ川左岸に広がる産地
ヴォークリューズ県(Vaucluse)の5つのコミューン シャトーヌフ・デュ・パプ(Châteauneuf du Pape) ベダリッド(Bédarrides)クルテゾン( Courthézon)オランジュ (Orange)ソルグ( Sorgues)にあたる
◆テロワール
地中海性気候で、ローヌ地方で最も乾燥している。日照は年間約2800時間、夏の平均気温は25℃。ミストラルが空気を乾燥させ、ブドウを健やかに保つ。氷河期にアルプスからローヌ地方の河川を通り運ばれた丸い石は、日中に太陽の熱を集め、夜は熱を放射するため、ブドウ栽培に適した土地となっている。土壌はやや深く、非常に石が多い。大部分が砂の多い赤い粘土と混ざった大きさな珪岩の石の層からなる。
◆主な土壌
・古い段丘の石の多い土壌
・モラッセ(アルプスの砕屑物を主とする厚い古第三紀層、礫,砂,粘土などが雑然として堆積した厚い地層) と砂岩の砂質土
・石灰岩の下層土の上に小石の多い土壌
◆生産ワイン比率
赤(94%)、白(6%) 2009年データ
◆栽培面積
3,164ha
密度はブドウの木の間が最大2m、1ヘクタールあたり最小3,000本のブドウの木、列の間隔は最大2.50m
◆基本収量
35hl/ha
◆ブドウ品種
グルナッシュ、シラー、ムールヴェドル、ピクプール、テレノワール、クノワーズ、ミュスカルダン、ヴァカレーズ、ピカルダン、サンソー、クレレット、ルーサンヌ、ブールブラン
◆ワインの特徴
【白】フローラルなニュアンスがある繊細なアロマをもつ。味わいはバランスがとれ、アロマの爽やかさが残る。
【赤】深い濃赤色で重厚なものから軽めで柔らかいエレガントなものもある。太陽を感じる赤い果実、スパイス、熟成によりジビエの香りが現れる。味わいはまろやかで、しなやかなボディをもつ。土壌の複雑さ、ブドウ品種のアサンブラージュなどによって、多様なワインを生み出している。
◆飲用温度
【白】8~12℃ 【赤】16~18℃
◆AOC取得年
1936
◆日照時間
2800時間/年
◆降雨量
670mm/年
◆ミストラルの吹く日
130日/年
◆歴史
シャトーヌフ・デュ・パプは「教皇の新しい城」を意味している。アヴィニョンにローマ教皇庁があった14世紀頃に教皇の避暑地としてこの城を建てたことに由来しており今は廃墟となっているが村のシンボル。歴代の教皇がブドウ栽培を奨励しそれが現在に続き多様な品種が作られているのが魅力的でもある。ワインボトルは特徴的で、教皇のかぶる三重王冠の下に2つの鍵が交差する紋章がラベルの上部に入っていることが多い。またここは原産地呼称制度(AOC)の基盤が形成されたエリアでもあり、19世紀後半の害虫フィロキセラの被害を受け、ワインの品質悪化、偽造ワインの流通が増す中、当地のルロワ男爵が産地の名声を守るべく1923年ワイン生産者と組合を結成、生産地やブドウ品種の制限、栽培の決まりの制定を提唱したことが始まり。この活動はやがて各地に広がり1935年にフランス全土に及ぶ公的な制度へと発展した。
参照 : inter rhone
http://www.chateauneuf.com/english/index.html
INAOデータ 2021年12月一部更新