aVinは、長野&南仏ビオワインを販売、卸、輸入しています。長野&南仏の文化、アート、暮らし、ワイン、そしてつくる人たちの情報を発信します。

南仏の代表的なブドウ品種2021/1/21

南フランスで栽培される多様なブドウ品種についていくつか見てみましょう。

 

黒ブドウ品種

grosnoreAkaBudo

(ドメーヌ グロノレ ムールヴェドル品種)

 

<Grenache noir  グルナッシュノワール>

グルナッシュ
中世にイベリア半島東部から地中海沿岸を支配していたアラゴンが原産の品種、スペインではガルナッチャと呼ばれる。フランスではローヌ南部、プロヴァンス地方で多く栽培され病気に弱い品種だがミストラルと呼ばれる北風によりその病気から守られているためこの土地に適している。果粒は小さく、暑さと乾燥に強い。赤ワイン、ロゼワインが作られる。色調は薄いものから深みのある色、酸味が低めで若くして楽しめるワインもあるし、力強く芳醇な長期熟成型の高貴なワインもあり、作り手の哲学やエリア、土壌によって様々な表情を持つ。赤い果実やプラム、スパイスのアロマを持ち、熟成させるに従い、モカ、チョコレート、タバコを思わせるアロマを生み出す。

グルナッシュノワールのワインはこちら

Grenache_mini

 

<Syrah  シラー>
ローヌ地方北部で古くから栽培されている品種で、近年フランスにおけるシラー種の栽培は大幅に高まっており、ローヌ河流域からラングドック地方、プロヴァンス地方、ルシヨン地方へと拡がっている。粘土質と花崗岩土壌の酸化鉄を含んだ土壌に適している。特に、北ローヌのコート・ロティの急斜面の痩せて乾いた土壌でよく育ち、北ローヌの気候が非常に適していると言われている。
収穫量の少ない成熟期の遅い性質だが、グルナッシュやムールヴェドルよりも熟期は早い。成熟させるには十分は日照が必要。単一品種あるいはグルナッシュなどとブレンドされる品種。
深みのある濃い黒紫色、黒胡椒やブラックオリーヴのようなスパイシーな香りが特徴。酸味もタンニンもバランスよく持ち合わせた長期熟成型の重厚なワインとなる。

シラーのワインはこちら

 

 

<Mourvedre  ムールヴェドル>

スペイン原産で、南ローヌ地方、プロヴァンス地方、ラングドック地方で栽培される。
ゆっくり成熟する品種で、温暖な気候を必要とするため、フランスではプロヴァンス地方のカシス、バンドールなどのぶどう畑が栽培適地としての歴史を持っている。石灰質の土壌を好む。
収穫量は低い品種だが、締まったタンニンをもつ濃厚なワインを生み出す貴重な品種である。
深みのある色合いを持ち、バンドールのワインのように、熟成にも向いている。ブラックベリーを想わせる豊かな果実香が特徴で、熟成すると、なめし革やスパイシーな香りが出てくる。ワインに骨組みを与えたり、バランスのとれた味わいを出すため、アサンブラージュに使用されることも多い。赤ワイン、ロゼワインに使用される。

ムールヴェドルのワインはこちら

mourvèdre4_mini

 

<Cinsaut  サンソー>

ローヌ地方、ラングドック地方、ルーション地方の他、北アフリカ、コルシカ、オーストラリア、イタリア南部、レバノンでも栽培されている。温暖な気候を必要とし、乾燥や強風には強い。ローヌ地方のシャトーヌフデュパプでは1980年代以降次第に栽培が減少し、2009年時点では全体の2.6%ほどとなった。収穫量を抑えた栽培と醸造技術により、程よい酸、タンニンは低め、濃い色調で、香り、バランスのとれた特徴的なワインを生み出す。ローズ、アーモンド、イチゴのアロマが感じられる。痩せて乾いた土壌が適したこの品種は、 グルナッシュやシラーとのアサンブラージュに用いられ、グルナッシュの高いアルコール度とカリニャンの収斂性とのバランスの上に、 しなやかさを持つ赤ワインを生み出している。プロヴァンス地方や地中海沿岸では、ロゼワインにも使用される。

cinsault grape 3_mini

 

<Carignan カリニャン>

スペイン原産の品種で、今はプロヴァンス地方やローヌ地方で多く栽培されている。活発な品種で栽培地域にもよるが収穫は9月後半~10月後半と成熟はゆったりとしている。十分な暖かさを必要とし 暑くて乾燥した丘の中腹での栽培が理想的とされる。やせた土壌、丘の中腹で育ったブドウはタンニンが豊富な美しい色のワインとなる。一般的には他の品種とブレンドされることが多い品種ながら、カリニャンのみで作られるワインも魅力的。

カリニャンのワインはこちら

Carignan1_mini

 

<Counoise クノワーズ>
プロヴァンス原産と考えられており、ローヌ地方やラングドック地方以外ではカリフォルニアやワシントンで栽培されている。ローヌ地方のAOCシャトーヌフデュパプのワインとして使用可能な13品種のひとつだが、そのエリアでのブドウ栽培量は全体の0.4%のみ。高い酸度、黒コショウなどのスパイスの香りを活かしアサンブラージュして使われることが多い。深い赤紫色、フローラルなニュアンスを持ちリッチでスパイシーな香り。

 

<Marselan マルスラン

1961年にフランス国立農学研究所(INRA)でカベルネ・ソーヴィニヨンとグルナッシュを交配させできた品種。主に南仏ラングドック地方、南ローヌ、プロヴァンスで栽培。シラー、ムールヴェドル、カリニャンなどの地元で生産される品種とブレンドされることが多いがマルスラン100%のワインもある。マルスランの名は最初に栽培されたフランス沿岸の町マルセイヤン(Marseillan)が由来。味わいは滑らかで柔らか、ラズベリー、ブラックベリー、ブラックチェリー、ブルーベリー、プラムなどのアロマ、シナモンとクローブのスパイシーなノートを伴う。酸味は良くタンニンは柔らか。

 

マルスランのワインはこちら

 

marselan_une

 

 

 

******************************************

白ブドウ品種

Ugni_mini

(シャトールヴェレット ユニブラン)

 

 

<Viognier ヴィオニエ>

ヴィオニエ発祥の地は北ローヌのコンドリュ村とその周辺丘陵地でわりと最近まではこの地域にのみ植えられていた。伝説によればヴィオニエはダルマチア(クロアチアのアドリア海沿岸地域一帯)起源で、皇帝マルクス・アウレリウス・プロブスによりフランスに持ち込まれたとのこと。1960年代初めまでは地元以外では知られておらず、フィロキセラによりそのほとんどが死滅したが、その後作り手たちの努力により徐々に栽培が回復、品種の独特な魅力が名声となり南フランスや海外でも栽培されるようになった。

痩せた土壌、粉末状の花崗岩、雲母、まばらな石灰岩、また日照りが非常に強く、南・南西向きの丘陵地帯や高台で良く育つがとりわけ多産なブドウ品種ではない。栽培や醸造が難しい品種ながら、エキゾチックでとても魅力的なワインとなる。香りは印象的でスパイシーさもあり味わい深く長い余韻、滑らかで、よく熟した、フルボディでスタイルのある白ワイン。黄色い果実(マンゴー、ナシ、モモ)、春の花(スミレ、アイリス、アカシア)、ムスクとスパイス、炒ったヘーゼルナッツやアーモンドなどの香りが特徴。

すぐに楽しむことができる白ワインで、Condrieu(コンドリュ)は2、3年待って一層華やかさやエキゾチックな味わいを、Château-Grillet(シャトーグリエ)は12~18ヶ月樽熟成されおり瓶詰後から魅力的。隣接するCotes-Rotie(コートロティ)の赤ワインにスミレのニュアンスを与えるための成分としても使われている。おすすめマリアージュはグリーンアスパラガス、リオン伝統料理クネルのナンチュアソース、パイ、ザリガニ料理、リゴット・ドゥ・コンドリュやピコドン・デ・ラ・ドロームチーズ、アーモンドガレット、寿司、牡蠣など。

ヴィオニエのワインはこちら

 

 

<Grenache Blanc グルナッシュブラン>

スペイン北部が原産でガルナッチャとも呼ばれるグルナッシュノワールの突然変異の品種で、フランス南ローヌ地方、ルーション地方、スペイン北東部で栽培されている。ローヌ地方シャトーヌフデュパプやコートデュローヌの白ワインではメイン品種としても使われ、赤ワイン、ロゼワインとのアサンブラージュにも使われる。ソフトネスとフレッシュネスを備える。若い時期に飲まれることが多い。収穫量を抑え、果皮を漬けてのマセレーション、オークバレルを使用し熟成、発酵などにより、ヴィオニエやマスカットのようなアロマティックで、穏やかな酸のある豊かなワインとなる。

グルナッシュブランのワインはこちら

 

<Clairette Blanche クレレットブランシュ>

南フランスで最も古い品種のひとつ、地中海エリアで代表的なクレレットブランシュ。南ローヌのシャトーヌフ・デュ・パプではグルナッシュブランに続き2番目に多く栽培されている。乾燥し痩せた石灰岩土壌に適していると言われ、現在は南アフリカ、オーストラリア、イスラエル等でも栽培されている。

ブドウの房は円柱・円錐形で中程度の大きさ。芽かきを丁寧におこなうことにより適切な収量がを保つことが肝心。ワインはフルーティーで、アルコール度は高く酸は少なめ、後味にはやや苦味を感じられる。大量生産のような作り方の場合には酸化しやすくなり最初の1年が飲み頃とされるが、ブドウに適した土壌と収量を抑えるなど熟練した技術により魅力的なワインが作られる。ブドウの果肉はとてもジューシー。

ワインはすっきりした後味、フルーティ、フローラルさを持ち、フェネル、リンゴ、ライム、アプリコットやピーチの香り。クレレットブランシュ単独で醸造されたり、北ローヌのディーではこの品種主体のスパークリングワインも作られる。他品種とブレンドされることも多い。シャトーヌフ・デュ・パプでは赤ワインにもアサンブラージュに使用される。

クレレットブランシュのワインはこちら

 

 

 

<Bourboulenc ブールブラン>

ギリシア原産と考えられている品種で数世紀に渡りローヌ地方で栽培されてきた。現在は南フランス、ラングドック地方、ローヌ地方に多い。十分な日照が必要とされ、成熟も遅い。アルコール度は低く、フレッシュでフローラル。若い時期に飲まれることが多い。多くの場合多品種とのアサンブラージュに使用され、グルナッシュブランだけでなく、クレレットやルーサンヌ、また赤ワインともブレンドされる。

 

 

もっと知りたいブドウ品種

→TOPページ上部からarticle(記事)→右下Category(カテゴリー)→南仏ブドウ品種へ

https://avin.jp/category/grape_varieties


ローヌ渓谷の21のブドウ品種2018/11/21

BeFunky-collage
ローヌ渓谷のワイン醸造に使用されるブドウ品種は21。
【北部】
赤ワインには主にシラー
白ワインには主にヴィオニエとマルサンヌが使用されています。

単一品種のワインが多く、さわやかで繊細、ストラクチュアやミネラル感のある味が中心。
中期から長期にわたる熟成能力があり、高い付加価値を持つワインが多くあります。
【南部】
グルナッシュ主体で、シラームールヴェードル、カリニャン、サンソーをブレンドして赤ワインロゼワインが造られます。
白ワインにはグルナッシュ・ブランクレレット、マルサンヌ、ルーサンヌ、ヴィオニエが用いられます。
アサンブラージュ(ブレンド)のワインが多く、力強く、おおらかで複雑な味。
短期から長期の熟成能力があり、中程度から高い付加価値を持っています。

近年では、新しい品種マルスランが赤ワインのブレンドに加えられることがあります。
>> 各ぶどうの詳細はこちら

 

【3色】
テロワールとブドウ品種の多様さに加え、気候と日照りに恵まれたローヌ渓谷では、赤・白・ロゼワインを生産しています。また、ラストーとボーム・ド・ヴニーズでは天然甘口ワインも生産しています。
フルーティー、丸みがある、深みがある、スパイシー、たくましい、ボディーがあるなど、様々な味わいの赤ワインがあり、ラザニアからソース料理まで、幅広い料理と組み合わせることができます。
白ワインはフローラルで果実味のあるものや、豊満で厚みのあるものなどが揃い、白ワインに合う料理も限りない提案が可能です。
ロゼワインはフレッシュで優しいもの、スパイシーで味わい深いものなどがあり、これもまた多くの料理との相性抜群です。


ローヌはフランスのAOCで第2位の産地2018/11/15

ローヌ渓谷ではコート・デュ・ローヌが75%、コートデュローヌ以外の7つのAOCが25%あります。
AOC(エーオーシー)とは、Appellation d’Origine Controlee (アペラシオン・ドリジヌ・コントローレ)の略称で、原産地統制呼称のこと。AOCを名乗るワインは、国で定められたワイン法に則り、地域ごとのぶどう品種や醸造方法などを守って作られています。
【コート・デュ・ローヌ ピラミッド型の格付け】

アペラシオン

コート・デュ・ローヌのアペラシオン(原産地の呼び名)の構成を理解するには、ピラミッドを思い浮かべると良いでしょう。

下部(上の図の三角の一番下の広いところ、4番)には171のコミューン(日本でいう市区町村)に広がる3万5000ヘクタールの土地で作られるコート・デュ・ローヌがあります。
その上に、95のコミューンで生産されるコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュがあります。
その上に来るのは、村名付きのコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュです。
その数は20で、ワインラベルにコミューン名を加えることができます。
ピラミッドの頂点には、特別なテロワールから生まれる名高いクリュが分類されます。

コート・デュ・ローヌには17のクリュ(良いワインと認定されている地域)があります。

このピラミッドに加え、ミュスカ・ド・ボーム・ド・ヴニーズとラストーでは天然甘口ワイン(ヴァン・ド・ナチュール)も生産されています。

【コートデュローヌ以外の7つのAOC】
ローヌ渓谷は、時と共にその懐に他のアペラシオンも迎え入れました
・Clairette de Bellegarde クレレット・ド・ベルガルド

・Costieres de Nimes コスティエール・ド・ニーム

・Cotes du Vivarais コート・デュ・ヴィヴァレ

・Duche d Uzes デュシェ・デュゼズ

・Grignan-les-Adhemar グリニャン・レ・ザデマール

・Luberon リュベロン

・Ventoux ヴァントゥー

こうしてローヌ渓谷のアペラシオンの種類は充実し、豊かで活気のあるワイン産地を形成することができています。モンテリマールからニームまで続くそれぞれのアペラシオンがその個性と特徴を発揮しています。

ローヌは南ローヌと北ローヌに分かれます。赤のみ、白のみ認められているAOCもあります。
rhone_map
【北部 8つのクリュ】
赤のみが認められている
Cornas コルナス
Cote-Rotie コート・ロティ

白のみが認められている
Condrieu コンドリュー
Chateau-Grillet シャトー・グリエ

が認められている
Crozes-Hermitage クローズ・エルミタージュ
Hermitage エルミタージュ
Saint-Joseph サン・ジョセフ

:左の地図に載っています。

【南部】
・Les Cotes du Rhone regionaux
地域名AOCコート・デュ・ローヌ

・Les Cotes du Rhone Villages
コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ

・Les Crus du Sud & 2Vins Doux Naturels
南部のクリュと2つのヴァン・ドゥー・ナチュレル

・Les autres AOC de la Vallee du Rhone
ローヌ渓谷のその他のAOC

ESSENTIEL_VDR_10x21-FR-JAP_OK-2_05


ローヌ渓谷のぶどう畑2018/11/6

rhone_map

ESSENTIEL_VDR_10x21-FR-JAP_OK-2_04

ESSENTIEL_VDR_10x21-FR-JAP_OK-2_05


アヴァンの取り扱う南ローヌのワイン。
ローヌ渓谷は、フランスの南東部に位置する都市・リヨンの南から地中海までおよそ200km。
そこで造られるワインは、ローヌ川が特徴づけをしています。

ヴィエンヌから地中海に合流するカマルグまで、川の両岸にぶどう畑が広がっています。
ローヌ川はその水流の力で地溝を掘り、北部の狭い峡谷と険しい斜面、そして南部の開けた盆地と広大な台地から成る、ローヌ渓谷のテロワールを形成しました。
まさに、ローヌ川に広がるぶどう畑の連結役として、それらの複雑で豊かかつバラエティーあふれる個性を作り上げました。

new_pic (93)

【ぶどう栽培の長い歴史】
紀元前1世紀前、ローマ人がローヌ渓谷にやってきて、彼らの援助によりヴィエンヌのぶどう畑が誕生しました。ぶどう栽培は南部のヴィオレス、ラストー、ロエ、サブレ、ボーム・ド・ヴニーズ、ジゴンダスなどに普及しました。
しかし異国の侵略によりぶどう栽培は衰退し、9世紀と、アヴィニョンに教皇庁が置かれた13世紀に復活しました。
1737年、ローヌ川の右岸にあるロックモール、タヴェル、リラック、シュスクラン、オルサンなどのぶどう園が、原産地の証明として樽の底にコート・デュ・ローヌを示すCDRの文字の刻印を始めました。

【多彩なテロワール】
変化に富む構造地質学的歴史の産物であるローヌ渓谷は、地質学者たちにとってはまさに宝石箱と言えます!地層の組み合わせが交互に入れ替わっていることで、ローヌワインに非常に繊細な豊かさと多様さを生み出しています。
北部のワインの味わいは、花崗岩、頁岩、石灰岩から引き出されます。
南部はより多様な土壌で、砂、泥灰岩、白石灰岩、黄・赤・青色粘土、丸砂利、砂礫、石灰粘土からワインが生まれます。
pape_3

【風と太陽の恵み】
ローヌ渓谷のワインの特徴は、気候からも生まれます。
北部では、冬は大陸性気候で寒く、強風が吹き、雨はそれほど降りません。
夏は、地中海性で暑く乾燥します。
微図と呼ばれる冷たく乾燥した北風が、空気をきれいにして、ぶどうを凝縮させ、成熟を加速させます。

~過去10年の平均(出典:Mercurol/Chanos -Curson地区気象台)~
気温:13.35℃
日照時間:2354時間
降水量:898㎜
IMG_1915

南部は、季節にかかわらず地中海性気候の影響を受けます。乾燥した夏と冬、年間降水量は400~900mmとばらつきがありますが、恵まれた日照り、穏やかな気温です。

~過去20年の平均(出典:オランジュ気象台)~
気温:14.2℃
日照時間:2740時間
降水量:700㎜

ヴァランス以南の気候には、もう一つの要素が加わります。それがミストラルです!
昔は災害ともみなされていた非常に激しい風で、その風の通り道の木は曲がってしまいます。しかしミストラルのおかげで、この地方は年2700時間もの素晴らしい日照に恵まれ、雲一つないコート・ダジュールの青い空を享受しているのです。
provence


ローヌ地方 -Rhone-2018/3/20

rhone

 

フランス4大河川の一つフランス南部を流れて地中海に注ぐローヌ川。

南北200キロに渡る自然に恵まれたエリアは、両岸にワイン産地が広がり、赤、白、ロゼ、発泡性ワイン、天然甘口ワインと多様なワインを産出している。

 

ブドウ栽培は、紀元前4世紀頃からマルセイユを築いた古代ギリシア人によって始まる。紀元前125年頃古代ローマ人がこの地に入植、ブドウ栽培とワイン生産が発展。中世にはテンプル騎士団がブドウ樹を植え、14世紀にはアヴィニョンのローマ教皇たちがこの地のワイン生産を奨励することにより優れた基盤がつくられていく。

 

1935年、原産地呼称制度(AOC)が導入されるが、これはローヌ南部シャトーヌフデュパプのルロワ男爵が、拡大を続けるシャトーヌフデュパプの名声を裏切らないよう、ワイン生産における今までにない厳しい決まりを制定したのが始まり。

 

現在はコートロティ、コンドリュー、エルミタージュ、シャトーヌフデュパプ、ジゴンダスをはじめとする高品質なAOCで、個性的な作り手たちにより一層魅力的なワインが作られている。ローヌワインは北部と南部では、気候や土壌の栽培地形の違いから性質の異なるワインが作られる。

 

<ローヌ北部 Septentrionales>

image-5S

コンドリューの街

 

IMG_1915 IMG_1886s

 

フランス南東部の都市リヨンから南下すること約30キロ、ローヌ渓谷の北部の街ヴィエンヌがある。このヴィエンヌからヴァランスまでの約60km、ローヌ川に沿った狭くて急な斜面にぶどう畑が広がる。

階段状に連なる石垣の上で手作業でブドウ栽培が行われることが多く、生産量は限られる。多くの斜面が南に向いているため日当たりが良好で、北風から守られており、ミクロクリマ(微気候)の恩恵を受けるところが多い。夏暑く冬寒い大陸性気候で、酸味と渋みのバランスのよいワインが生まれる。白ワインには地元で造られている山羊の生乳製リゴット・ド・コンドリューチーズや川マスのロースト、フォアグラなど。赤ワインには牛フィレ、仔羊、ジビエ等郷土の料理も魅力的。

 

George Vernay(ジョルジュ・ヴェルネ)Condrieu

 

 

<ローヌ南部 Meridionales>

IMG_0693_cndp pape_1

 

new_pic (95) IMG_3759

 

ローヌ渓谷南部に位置する街アヴィニョンは、かつて教皇庁が置かれた街で、真夏の演劇祭 ”Festival d’Avignon” で有名。モンテリマールの南側からアヴィニヨン近辺まで約80kmにわたりブドウ畑が続く。

北部の景色とは異なり、ゆるやかな起伏の土地に畑が広がり、地中海性気候に大別されるが、ミストラルと呼ばれるローヌ渓谷から地中海沿岸に吹き抜ける北風が特徴。冷たく乾燥している風が、雨の後には畑を乾燥させブドウ樹を健やかに保つ。また強い風のために果実も小さくなるので凝縮感のあるワインができる。トリュフ、チーズ、オリーヴオイル、メロンなどの名産物がある。南ローヌの代表的な赤ワイン品種、グルナッシュ、シラーを主体とし、長期熟成タイプからフルーティなものまで作られ、バラエティに富んでいる。

 

Vieille Julienne(ヴィエイユ・ジュリアン)Chateauneuf du pape

 

 

Le clos du Caillou(クロ・デュ・カイユ)Chateauneuf du pape


Page Top