La nouvelle génération aimera-t-elle le vin ?
著)La RVF編集長ドゥ二・サヴェロ(Denis Saverot)
La Revue du vin de France no.607/dec 2016 – jan 2017 記事抜粋
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「若年層とワインの離婚のリスクはあるのか」
先日パリで開かれた、ワインとその新技術に情熱を寄せる若き人々の集い
「ヴィノキャンプ(Vinocamp)」で交わされた話題の一つです。
会が開かれたメゾンドメタロス(Maison de Métallos)はパリの社交場的存在で、過激派のモスクがあるピエール=ティボー通りからすぐ隣に位置します。この日私は初めて、軍の警備と拳銃の保護のもとでの緊張感漂う会議に招かれていました。ところが場内は一転、穏やかな雰囲気に包まれたワイン会議となりました。
フランスでの18~30歳までの若い世代の10人に7人がワインを口にすると明言しても、その中でほぼ毎日飲むという人は1人にも満たないでしょう。10人中3人が週2、3回、もう3人はごく稀に、そして残り3人は全くワインを飲まないという統計となり、若者世代において食前酒にワインを選ぶのはたった12%のみとなりました。
広報担当で富裕層の専門家であるエリック・ブリオンは、若い世代の目からはワインの世界が厳格で保守的に見えてしまっていると説明します。そしてY世代(1980−2000年の間に生まれた世代)、彼が呼ぶには「ワインハッカー世代」達をより惹きつける為にSNSの力がなくてはならないと言います。ブリオン氏によると、ワイン製造者は成功のためブランド戦略と同様、若い世代のしもべに位置しなければならないそうなのです。即興的で、形式にはまらない、一時的な楽しみ、そうしたことが若い世代にとって最も親しまれるのです。YouTubeで栓抜きを使わずコルクを抜き取る動画が800万回視聴されたことはブリオン氏にとって大変な驚きだったそうです。
フランス世論研究所は、若い消費者世代に関するより詳細な調査を行なっています。研究所所長のジェローム・フーケ氏は会議においてこの微妙なニュアンスを解説してくれました。研究所の見解によると、フランスの若年層世代の63%がワインは家庭内で学ぶものと考えているそうです。ワインのことを知るために40%の人が身近な人から意見を聞き、28%がワイン売り場の人から、27%が友人から、そしてたった19%がインターネットから、7%がワイン専門のアプリから学んでいることがあきらかになりました。フランスというブドウ栽培の伝統がある国では、若い世代がインターネットの情報に信頼を寄せ自分の知識として語ることはしないのです。
とくに、アンケート調査では若い世代に30%存在する非ワイン消費者の内の66%が、ワインを飲まない理由に「味が苦手だから」を選んでいます。ここで明らかにしておきたいことには、ワイン愛好家達が認識している通り「ワインは文化的飲み物である」ということなのです。その習慣は自然発生的に生じるのではなく、文明の中で脈々と受け継がれてきた遺贈として現代に存在しているのでしょう。生まれつきワインが好きな子供はいません。ワインを味わう楽しみは生涯を通じてゆっくり身についていくのです。
結果として、こうした習慣が無くなればワインの消費量は激減します。
フランス世論研究所によると、12%の若年層世代は家庭においてワインを飲むことはなく、7%はその宗教的理由から決して口にしないそうです。千年以上にわたりフランスでは歴史や宗教の断絶問題に対し、とくに自由思想家などは食卓でのワインの共有を提唱してきたことは象徴的です。
人々はみなフェイスブックやツイッターのアカウントは持っています。しかし本心では真の共生に立ち返りたいのです。人々と出会い、交流をかわすことを求めています。
仲間と共有し、一生記憶に残る思い出を持ちたいと。それは若い世代も同じことです。
ワインの文化とはすなわちパルタージュ(共有)とランコントル(出会い)なのです。
La Revue du vin de France no.607/dec 2016 – jan 2017 記事抜粋
www.larvf.com.
La RVF編集長ドゥ二・サヴェロ
翻訳 橋井杏