地中海を目の前に、葡萄とオリーブの木が立ち並ぶ風景
プロヴァンスは食通から祝福されるべき地方である。
昔からこの地方の料理、食材、そしてシェフ達は世界の人々を虜にしてきた。
代表的な避暑地であるがゆえなのか、残念なことに観光客向けの評価の低い安食堂もこの地の典型である。しかしよくよく目を凝らし探ってみれば、この地は食道楽すら魅了してしまう素晴らしい力を秘めているのが見えてくるだろう。
ここでRVFが選んだ10つのレストランから、あなたの好みにあった店が見つかるかもしれない。地元の食材を使用した、情熱の溢れる店ばかりである。そしてもちろん一緒に合わせるのにベストなワインを選ぶことも忘れないように。
数年ほど前からプロヴァンス地方で若い料理人達がこぞって料理の文化遺産に新たな風をもたらし始めた。それに伴い星付きのレストランの数も増えてきている。
かつてプロヴァンスの料理界がこれほど生き生きとした時はあったのだろうか、地中海の鮮魚、太陽をいっぱいに浴びた野菜や果物、オリーブオイルは、シェフ達のインスピレーションを刺激してやまない。
この地を訪れる全ての人たちへ推薦したい10の店
シンプルであったり、非常に手が込んでいたりと様々であるが、どれもクオリティは格別で、回り道をしてでも行く価値のある店が揃っている。そして当然のことながら素敵なワインなしに美味しい食事は生まれないのだから、各店のワインメニューもしっかりと分析してある。選ぶときの参考にしていただければと願っている。
まずはレ・ボー・ド・プロヴァンスにある《L’OUSTAU DE BAUMANIÈRE ルストー・ボーマニエール》から我々の旅路は始まる。ロケーションはさることながら、ため息の漏れるほどの料理とワイン。次にマルセイユではまた素晴らしい食卓のテーブルが目の前に現れる。続いてエクス・アン・プロヴァンスでは《LA CAVE D’YVES ラ・カーヴ・ディヴ》での美味しいワインとシャルキュトリー・・・
せっかくだからもっとラグジュアリーに?
それならサントロペにあるフランス国内でも指折りのレストラン《LA VAGUE D’OR ラ・ヴァーグ・ドール》での待ち合わせはいかがだろう。一方ではル・キャステレの地で待つレストラン《CHRISTOPHE BACQUIÉ クリストフ・バキエ》やオリウルの《LA PROMESSE ラ・プロメス》女性シェフ、ヴァレリー・コスタもあなたを驚嘆させてくれるはずである。
どれを選んでも間違いはなし。
10の店の紹介は次で・・(つづく)
“LA REVUE DU VIN DE FRANCE ” No.603 2016, 7/8月号より記事抜粋
www.larvf.com.